i-ramを使った、Windowsの起動動画です。
再起動後のスピード、Windowsのゲージが一瞬です。
しかし実際のところ、Windows起動のように決まったモジュールを順序立てて動かすシーケンシャルアクセスは、このように20秒かかっていたものが5秒で済むようになった・・・という程度にしか効果が得られません。
OSの起動時間短縮はBIOSからの読み込みにも左右されるため、マザーに搭載されたチップセットの性能や、接続しているUSBやSCSI機器の点数、シリアル・パラレルポートなどの開放設定にもよりますので、RAMディスクに依存させなくともトータルの起動時間において高速化は可能、と言えるでしょう。
また、普段10秒かかるエクセルやワードの起動が1秒にはなっても、人の手による計算作業や文字打ちの作業ばかりはi-ramをもってしても高速になるものではありませんので注意が必要です。
とはいえ、上記の動画においてjpg画像の読み出しなどは一瞬でした。こういった膨大な画像の読み込み・ファイル間の移動作業などは、大変便利ですね。
余談ですが、この程度の短縮が目的であれば、i-ramを使わずにHDDに10000rpmのRaptorを用いて、3ware-9500系のRAIDボードに256M以上のキャッシュを搭載したものを使うだけでも、それなりの体感速度の向上は得られるかと思います。この場合、かかるコストも、あまり変わりません。
i-ramとメモリ4GBを揃えると8万円以上しますが、Raptorの36GB+9500系ボードも同じくらいの値段です。OSの起動ディスクを目的とするだけならば、この方が容量も多くおすすめかもです。
※どうやら上記の動画に使われているPCは、ディスクアクセスを要さない処理周りも高速に動いているところを見る限り、CPU自体もオーバークロックしているっぽいです。
読み書きだけが高速であっても、CPUが遅いとやはり足を引っ張られますので、トータルバランスが重要です。
「4GBも要らないけどRAMディスクを使ってみたい」という方は、ソフトウェアRamディスク生成ソフトもおすすめです。こちら→Ram phantom
お使いのマザーに搭載されたメモリそのものをRAMディスク化します。インターネット一時ファイルくらいであれば256Mもあれば充分ですから、このソフトを使うのもアリです。
ちなみにSATAのインターフェイスを経由せずにメモリ直で動作し、DDR2でも問題なく使うことが出来ますので、アクセス速度の速いメモリを使うとi-ramよりも高速な動作が可能となります。
i-ramのパワーを十二分に発揮する作業としては、ランダムアクセスを要するアプリケーションが挙げられます。
例えば
BattleFieldシリーズやFinalFantasy、Linage、シムピープルなどの起動用ディスクとして活用すると、まさにファミコンのROMカートリッジのような超高速環境が体感出来ます。
i-ram以外にあるRAMディスクとして、まずはロケットドライブ(rocketdrive)が挙げられます。
→ロケットドライブ
こちらの4GBタイプですが、当方は2003年に直接このメーカーに購入問い合わせを行ったことがありまして、この時は海外からの直輸入で約40万円(手荷物持ち込みでなく輸入話だったので、他に関税などがかかって50万越え)、そこで日本の某パーツ系の代理店に問い合わせたところ、国内販売価格で109万円(!)という金額がついておりまして、それに比べるとi-ramの激安なパフォーマンスは非常に魅力的な訳です。
ちなみにロケットドライブはPCIバスで読み込むタイプですので、SATA端子は必要なく、それなりに高速には動くとは思いますが、乗っているRAMモジュールがSDRAMタイプですので、トータルではどうなんでしょうか。お持ちの方いらっしゃいましたらお話聞いてみたいですね。
●その他のハードウェアタイプRAMディスク
→PCIバス用高速RAMボード
→RamSan
1年ぶりのエントリーです。
前回はI-ramをRAID0で6基まとめて691MB/sというレポをご紹介致しましたが、2009年4月中旬に発売されるSSD「G-Monster-PCIe」は、1発で読込速度750MB/s、書込速度700MB/sという超高速環境を構築しています。
NAND型FlashとDDRメモリのランダムアクセス速度を比較する事は無意味ですが、その接続先にあるSATAのボトルネックがPCI-E*8で解消されることで、これはさすがにi-ramをはじめとするRAMディスクを遙かに超えるハードウェアになりそうですね。